――別れがあるからきっと前に進める。
序章「彼女」(以下サンプル。反転してください。)
「彼女」はいつものように通学路を歩きながら、胸が高鳴るのを感じていた。
知った友がいるからでもなく、新しい環境に憧れを抱いていたわけでもない。
浅田学園高等部への入学はそれだけ「彼女」にとって大事だったからだ。
あの日から、「彼女」は今日と言う日を待っていたのだ。
序章「彼」(以下サンプル。反転してください。)
楽しそうに、友人と話しながら、講堂に向かう「彼女」の姿を見たとき、
おそらく「彼」はこれまでで一番の安堵を感じた。
「彼」はそれを見届けると、静かに教室を去った。
一章「春、入学式」(以下サンプル。反転してください。)
四月、桜の咲く季節となって、浅田夏実は高校一年生になった。
入学式の朝、夏実は上機嫌だった。
他の誰でもない、目の前にいる藤堂誠と同じクラスになれたからだ。
二章「夏、夏休み」(以下サンプル。反転してください。)
夏休みに入っても、図書委員の仕事は、週一回あった。
さすがに、何もない時に学校へ行くのはめんどくさい、と結が隔週案を再燃させた。
夏休み中は、日中に図書室を閉めるので、夏実はその案を承諾した。
三章「秋、文化祭」(以下サンプル。反転してください。)
夏休みが明けて、二週間もすれば、11月の文化祭に向けて準備が始まった。
夏実のクラスはと言えば、『白雪姫』の題目で劇をやることになった。
王子様が誠になったのは、もちろん夏実の押しがあったからだ。
四章「冬、卒業式」
準備中